この記事では、私が男性として育休を1年2ヶ月まで、分割で約10ヶ月間取得した体験をまとめます。
まだまだレアな男性育休を最大限活用した経験をもとに、取得のきっかけや職場の状況、家庭での過ごし方、そして得られた学びを紹介します。
筆者自己紹介
私は30代の会社員で、IT業界に勤務しています。妻と子ども1人の3人家族です。
仕事はリモート中心ですが、育児との両立を意識しており、今回、男性として1年2ヶ月の育休を取得しました。
男性育休の取得率

厚生労働省によると、男性育休の取得率は、2023年度が30.1%で、2024年度が40.5%となっています。
このように、男性の育休取得率は年々高くなっている傾向があります。
ただし、取得する期間は、私の観測範囲だと1ヶ月から3ヶ月程度の取得にとどまる方が多いです。

私自身、最初は2ヶ月で申請を出しています。
その後、夜泣き対応で仕事と育児の両立が難しくなり2回目の育休を限度最大まで取得しました。
男性が取得できる制度の紹介
| 制度名 | 対象者/条件 | 取得期間 | 概要 |
|---|---|---|---|
| 育児休業(育休) | 雇用保険加入者で、子どもが1歳未満(条件により最長2歳まで延長可能) | 原則1歳まで(条件により最長2歳) | 子どもの育児のために仕事を休むことができ、休業給付金が支給される |
| パパ・ママ育休プラス | 両親ともに育児休業する場合で、一定の要件を満たした人 | 取得できる期間は1年間(女性は出生日以後の産前・産後休業期間と合わせて1年間) | 育児・介護休業法の対象となる子の年齢が原則1歳未満から原則1歳2か月未満に延長される特例制度。父母が分割して育休を取得可能 |
| 産後パパ育休 | 子どもが生後8週間以内の父親 | 最大4週間(28日)を限度に2回に分けて取得可能 | 1歳までの育休とは別に取得できる。労使協定で就業可能と定められた場合、一定条件で就業も可能 |
| 育児休業給付金 | 雇用保険加入者で育休取得中の人 | 育休期間中 | 休業前の賃金の67%(最初6か月)、以降50%を支給 |
| 育児短時間勤務制度 | 1歳未満の子どもを養育する従業員 | 子どもが1歳になるまで(一定条件で1歳半まで延長可能) | 1日の労働時間を短縮して勤務できる |
| 子の看護休暇 | 小学校就学前の子どもがいる労働者 | 子ども1人につき年間5日(2人以上は10日) | 子どもの病気やケガで休暇を取得可能、有給または無給 |
2025/10の情報です。最新の情報は厚生労働省のHPを確認してください。
たくさんの制度がありますが、私は以下の順番で取得しました。
産後パパ育休→育休(分割2回取得)→パパ・ママ育休プラスの順番で取得しました。
育休取得のきっかけ
1度目の育休:職場環境と取得の背景
私の職場では、幸いなことに上司の理解もあり、会社としても育休取得率を上げたい方針で「ぜひ取ってほしい」というスタンスでした。
周囲では2ヶ月程度の育休を取得している人が多く、それを参考にして申請しました。
育休は分割取得も可能なため、まずは短期間の2ヶ月から試す形で始めることにしました。
※本記事の育休のデメリットでも、短く申請してしまう理由を解説しています。
2度目の育休取得:取得の背景
2回目の育休取得を決断した家庭での理由は、夜泣きの頻度が非常に高く、一人では対応が難しかったことです。
夜泣きは子によると思います。うちの場合は毎日3回は起こされる状態で、一人では長期間対応するのは困難でした。
また、対応を分担しても寝室が一つだったので起こされることには変わりありません。寝不足で仕事のパフォーマンスも落ち、精神的にまいっていました。
結果、育児の両立に苦しんで育児うつのような状態まで体調を崩し、育休を再度取得することが最適だと判断しました。
その結果、0歳の誕生日から2ヶ月と、生後6ヶ月から1歳2ヶ月までの8ヶ月の合計10ヶ月の育休を取得しました。
育休中の生活
日常のルーティン
育休中の1日のスケジュール例です。夜泣き対応や家事も含め、育児にフルで関わりました。
夜間対応 夜泣きが1日3回、12時2時4時
6:00 起床 子どもの授乳・オムツ替え
7:00 朝食準備・家族で朝食
8:00 家事(洗濯・掃除)
9:00 子どもと遊ぶ時間 おもちゃや絵本で遊ぶ
12:00 昼食・昼寝タイム 子どもと一緒に昼寝。夜寝られていないので一緒に寝る。
14:00 自由時間/在宅作業 仕事メールチェックや趣味の時間
16:00 おやつ・散歩 近所を散歩して外気浴
17:30 夕食準備 家族で夕食
19:00 入浴・就寝準備 子どもをお風呂に入れる
20:00 子どもの寝かしつけ 30分から1時間あり、一緒に寝る。
22:00 自分の就寝準備 次の日に備えて休息
猛暑のため、夏は室内で遊ぶことが多く外出はかなり少なかったです。昔の夏が懐かしいです。
歩き始めてからは午前か、午後どちらかで公園に出掛けていました。
家事育児の分担としては、まず生活費の割合と、家事育児の割合を合わせるという方法をとっています。(生活費の3割を出すなら、家事育児を7割やる。これは月毎に調整。)
また、気づいたほうがやるというルールを採用しています。(食洗機の汚れが気にならない性格の人と気になる人が一緒に住むなら、気になる人がやったほうがいいという理由です。)
仕事との両立(リモートワークや復帰準備)
復帰の際は、寝室を分けてもらうようにしました。夜の対応はお願いしてしまいその代わりに朝や夕方以降の対応を頑張るというスタイルに変えました。
仕事から距離を置き、復帰したらどう思われるかなど不安がありました。
そのため、上司との会話を密にとるようにしました。
育休取得のメリットと学び
家族との時間
人生で、一番家族と過ごす時間となり、大変だけど幸せな時間を過ごすことができました。
これが一生物の時間だなと感じました。
自身の成長と気づき
育休を通じて得られた学びは大きく、次のようなメリットがありました
- 資産が増えた(育児休業給付金で生活費は問題なかった。金融資産がお金を増やしてくれた)
- 育児に当事者意識ができた。
- 自分を犠牲にする覚悟ができた(男性は自分ひとりの時間が欲しい生き物だが、子どものために犠牲にしてもいいと思え流ようになった。)
- 人生を振り返る余裕ができた(社会人は、そんな余裕がないのでよかった)
- 育児や家事の大変さを身をもって学べた
育休のデメリット
金銭的なデメリットが主な育休のデメリットです。
育児休業給付金があるからそんなに資産は減らないと思った方も多いと思います。
が、それは間違いです。
取得期間にもよりますが、直近1年の給与の66% – 50%程度の給付があり、税金も控除されます。
それ以外にも受け取れる金額が減る考慮すべき部分があります。
それはボーナスです。
労働形態にもよりますがサラリーマンの場合、育休中はボーナスの対象外期間となることが多いと思います。
半年育休を取れば半年分のボーナスがゼロになります。そのため、短期取得後にフルタイムに戻るという働き方を選択する人が多いです。
このデメリットを考慮してもたくさんとるほうがいいと思っています。それを以下のメッセージでお伝えしたいと思います。
育休取得を考えている男性へのメッセージ
いろんな価値観の方がいるので難しいのですが、
育休を取ると「資産が減る、キャリアが詰む」と考えて、将来設計のために働かないとと思い育休を長期間取得できないと考える方は多いと思います。
これらは、将来必要なお金を計算し、資産計画を立てておけば解決できる問題だと思っています。
事前に現在の支出の把握と最適化、子どもの養育費や老後費用など、大きな出費の概算把握と資産運用の計画を立ててみてください。
案外お金の問題はないという結論に至ることもあると思います。
昇進を組み込まなくても将来安泰という結論にまで至った方はキャリアアップを考える必要すらもなくなります。
逆に計画が破綻している方も数ヶ月なら問題ないなど、期間を減らして見積もることは可能だと思います。
とにかく、お金の不安を抱えたまま育休を取得すると、子どもとの時間を本気で楽しめないです。
不安をなくせる期間を見積もって育休を取得して欲しいです。きっとその時間は人生の宝物になると思います。

筆者は、仕事も育児の頑張ろうと意気込んだ結果、体調を崩してしまったので、余裕を持った計画をおすすめします!
私は、20代後半で1000万円程度の資産を運用しており、将来の必要資金を考えたときに余裕があると考えました。
10ヶ月で500万円くらいは損したと思いますが、それでも子どもと過ごせる時間の方が価値があると判断しました。
仕事と育児の両立で健康を害していたのもありますが、子どもが一番可愛い時期にゆっくり過ごせると今後の子どもとの向き合い方が大きく変わると思います。
500万円の金融資産と、愛情という資産を交換したと思えば、今しか獲得できない貴重な資産なのでいいかなと思います。

毎日一緒だとめちゃくちゃ懐いてくれます。かわいい。
妻の好感度も獲得しました。
まとめ
他にも伝えたいことがたくさんあるので、反響があれば追記や記事を追加したいと思います。


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